伝統の技術をいっしょに紡ぐ仲間として
受入れ企業情報
- 都道府県
- 和歌山
- 事業内容
- 織布機器運転業
- 技能実習生
- ベトナム国籍
外国人材に対する評価(5段階評価)
Q 実習生の仕事内容は?仕事に取り組む姿勢も教えてください
実習生たちは「織布工」と言って、機械で生地を織る作業をしています。専用の機械を動かし、途中で切れてしまった糸を結んで入れ直す作業などをしながら、機械と糸の調子をみて生地を織り上げていきます。基本は織布ですが、それにまつわる工程も一緒に覚えてもらっています。機械のメンテナンスも自分でできるように少しずつ学んでもらっているところです。3人とも同じ工場内で作業をしていますが、場所は別々にして、様々な織り方の機械に慣れてもらっているところです。
取り組む姿勢は、非常にまじめです。頑張って覚えよう、という姿勢がみえます。理解できないときは、必ず周りの人に声をかけて質問するように伝えています。そこは、しっかりと守ってくれています。
Q コミュニケーションで気をつけていることはありますか?
できるだけ方言を使わないようにしています。そして、分かりやすく、ゆっくりと話しています。社内のスタッフに休憩時間は実習生に声をかけてあげて、と伝えてあるので、いっしょに雑談もよくしているようです。仕事以外のことでも生活のことや、週末に何をしたか、など、実習生が日本語を話すきっかけを作るようにしています。
あと、実習生手帳子※を日本語の練習も兼ねて書いてもらっていますが、書いてくれた内容で気になることは「これはどうなったの?大丈夫だった?」と質問することで、その後のコミュニケーションにつながることもあります。
※実習生手帳:当組合オリジナルの実習生用の手帳。感謝の気持ちや仕事へ取り組む姿勢など、社会人として必要となる思考を養う手帳。日本語で綴るため、継続することで日本語学習にも寄与します。
Q 仕事を教える際に工夫されていることはありますか?
指導している際に難しい専門用語を使うことがありますが、その時にしっかり説明して、覚えてもらうようにしています。日本人でも一人前になるのに3年以上かかる仕事です。機械を動かしながら、いかにキズのない上質な布を織りあげていくかが大事なため、操作を覚えて、経験を積みながら見極めていく、職人の世界です。それもあって、指導は基本的にマンツーマンです。現場の職人がそれぞれのノウハウで丁寧に教えています。実際に作業を見せて、次は同じようにやってもらう。それを確認しながら一歩ずつ進めています。
Q 実習生の日本語力はいかがですか?
入社してまだ8ヵ月なので日本語がつたないところはありますが、自分たちから頑張って話しに来てくれます。ちゃんと社内の人たちとコミュニケーションをとらないと!と思ってくれているようです。会話が難しいときもありますが、私たちが話していることは、ちゃんと聴けていて、理解はできています。とにかく社内のスタッフと毎日、会話をする、そして、日本語ができないと生活にも困るので、しっかり取り組むように伝えています。実習生手帳はしっかり書いてもらっていますが、ひらがなが多いですね。もう少し漢字が書けるように頑張って勉強して、と伝えています。とにかく日本語で考えて書くことが大事だと思います。
Q 実習生を受入れ始めたきっかけを教えてください
職人になりたい日本の若者が減った、特に繊維産業に関してはそこが大きいです。どの産地も共通して、若い人が来なくなった。それなら意欲のある外国の若者に来てもらったらどうか、ということで挑戦してみることにしました。
実習生を迎える際は、どこの国籍がいいか、どんな方に来てもらうか、いろいろ考えました。そして、最終的に真面目さと指先の器用さで、ベトナムの北部の人がいいだろう、となりました。採用面接のときもうちで使う糸を持参して、糸を結ぶ試験をしました。うちでは最初の仕事が糸結びになります。最近は日本人が不器用になったと感じます。子どものころに手先を使った遊びや仕事が減ったからかもしれません。そういう点ではベトナム人の方が、まだ自分で何かを作ったり、修理したりする機会が生活の中で多いのかもしれません。
Q 受入れを始める際に不安なことはありましたか?
実習生たちにとっては、初めて来る外国、外国語での生活、慣れないことばかりだろうし、ちゃんと安心して生活できるのかを一番、心配していました。私たちが準備した住居や備品で快適に過ごせるのか、そこも不安でしたね。慣れない生活や仕事で、きっとプレッシャーやストレスもあるだろうし。今は仕事と生活にも慣れて、しっかりと暮らしています。ちゃんと自炊もして、掃除もしています。3人で一軒家の寮で生活をしていますが、仲良くやっています。
Q 実習生の受入れを検討している企業様に一言お願いします。
希望するような人材が来ないという悩みを持っているなら、少なくとも検討する余地はあると思います。最初はやはり大変だと思うし、私たちも準備やどう対応してあげるのがいいのか分からないところはありましたが、やってみたら、お互いに慣れてくるところもあります。思い切って受入れてみてはどうかと思います。
(取材:2026年8月)