受け入れ企業様の声

当組合のサポート担当者が
受け入れ企業様にインタビューしました。

滋賀県S社

実習生を受け入れると今までの会社とは違った雰囲気が楽しめると思います。

〇実習生を受け入れるきっかけや、社員さんの反応はいかがでしたか?

実習生の受け入れ自体は知り合い企業のつながりです。社員みんなが実習生の真面目で一生懸命な働きぶりを知っていたので、話は前向きに進みました。
実際に受け入れてからは、一番には現場が活気づきました。実習生は元気がよく、挨拶の声も大きいということもありますが、わからないことをすぐに聞いてくる姿勢は教える方も知識を持たないといけないし、伝える話し方をしなくてはいけないので、相乗効果でどんどん良くなっていると思います。

〇実習生に、どのようにして仕事を覚えてもらいましたか?

実習生の指導も日本人の指導も変わらないのですが、始めは簡単なものから行います。
今入ってきた3期生がその段階ですね。教え方は見本を見せて同じようにしてもらって。「見せて、やらせて、覚えてもらう。」の繰り返しでした。簡単なものは半月ぐらいで慣れるので、徐々に難しい仕事をしてもらいます。今の1期生、2期生の仕事内容は日本人と同じで、難しい仕事をしています。ゆくゆくは3期生にもお願いするつもりです。
仕事も、みんな真面目に黙々と行ってくれ、「真面目にやりなさい」という指導はしたことがありません。仕事内容は全員が同じことをしているわけではなく、個々の能力に合わせて徐々に難しい仕事に取り組んでいます。良いところを伸ばす形で指導をすると自信にもつながりますし、日本人と遜色ありませんよ。指導したこととして強いて言えば手が空いた時にどうしたらいいかを教えたぐらいでしょうか。作業が確立していれば全く問題ないかと思います。

〇仕事を教えるにあたり、苦労した点はありますか?

専門用語は辞書を引いても載っていないので、噛み砕いた説明や実際に作業を行ってこの専門用語はこういう作業のことだという説明をする必要がありました。
そこで日本人の新人向けに作っていた作業手順書を見直し、よりわかりやすいように改訂しました。これは結果として新しく入ってきた日本人にとっても良かったことです。
国籍に限らず、わかっている人が使う言葉は素人には伝わらないので、わかっている人がそれに気付いてあげないといけないと思います。

〇実習生を受け入れて増えた負担はありますか?

受け入れは初めてだったのですが、あらかじめ用意したものはなく、実習生の要望に応じて日本語で教えました。1期生は真面目で意欲も高く、わからない日本語はスマホの辞書で調べる、わからない技術はすぐ聞きに来るなど、自主的かつ積極的でした。現場は「よく頑張ってくれているし、良かったね」という評価で、作業上増えた負担はなく、日本人の派遣やパートと同じ指導です。事務側では実習日誌や実習手帳、技能実習責任者の講習受講など、外国人技能実習制度を活用するには必要な事項が増えました。

〇受け入れの際、注意した点や工夫した点はありますか?

実習生が質問をしやすいよう、「ベトナムと日本はどこが違う?」「仕事困っていませんか?」など、休み時間に話しかけたりしていました。1期生の日本語力は配属時から高く、とても優秀でした。2期生もそれを見て一生懸命頑張っています。今は「先輩が頑張るから後輩も頑張る、後輩に負けないよう先輩も頑張る」という良いサイクルができたように思います。

〇日本語の勉強にはどのように関わられていますか?

実習生それぞれ、日本語の勉強の仕方が違っており、それぞれに合わせた対応を行っています。1期生は宿題が欲しいと言い、フィンさんは宿題を全部くださいというのに対し、ガンさんは2枚ずつくださいと言います。2期生は長文の勉強はしづらいので課題を渡していますが、主にインターネットを活用して勉強をしています。みんな宿題ができたら持ってきてもらってチェックして返しています。日々の積み重ねの結果、フィンさんは入国2年目で日本語能力試験N2に合格しました。他の実習生もフィンさんに続けと、頑張っています。

他には組合が実施している「実習生手帳」を実習生の日本語力を伸ばすだけでなく、コミュニケーションのツールとして活用しています。実習生手帳には実習生の書いた内容に対し、企業がコメントを書く欄があるのですが、実習生が負担にならない程度で、答えが出るような疑問詞でのコメント、例えば「今日は何を食べましたか?」などを書くようにしています。回答が返ってくる実習生がほとんどですが、回答がない実習生もいます。回答がない実習生は実習生手帳を他の誰かに見られることが気になるそうです。そのような実習生には気になったこと、例えば実習生の笑顔がなかった日には「今日は体調がわるいですか?」等を付箋に書いてはがせるような形でやり取りをしています。

〇仕事以外で実習生と接することはありますか?

1期生の時は毎月1回行っていましたが、人数が増えてからは2か月に1回ほどでしょうか。仕事の後、寮へ勉強を教えに行ったり、ご飯をしに行ったりしています。
ご飯は実習生からベトナム料理をごちそうになったり、社員が日本料理を作りに行ったりしています。社長企画で全員が集まることもありますよ。

外出をして印象的だったのは、1期生と2期生は琵琶湖が見たいということで、ロープウェイに乗って見に行った時のことですね。
1期生の時は上にいるときには霧がかかっていて、全部見ることはできなかったのですが、降りてくるときに視界が開けて、実習生は歓喜の声を上げていました。2期生の時は良い天気で、琵琶湖を見た実習生は飛び上がって喜んでいました。今でも撮った写真をLINEのアカウント写真にしています。帰りははしゃぎすぎて疲れたのか、車の中で「すみません。寝ていいですか?」と言って寝ていました。琵琶湖を見て、喜んでくれたことも嬉しかったのですが、車の中でのそんな出来事が可愛らしいなぁと思いました。

〇受け入れをして気になったことはありますか?

生活習慣が違うので、考えもしないものを落としたりなくしたりした時は驚きました。
ひとつには、見つかったから良かったのですが、キャッシュカードの抜き忘れでしょうか。
他には、ベトナムと日本では交通事情が違うので、自転車の乗り方が不安でした。信号がなくてもたくさんのバイクと車と人が何となくうまく行っているベトナムと違い、信号に重きを置く日本では止まってくれないので。実習生には注意するよう言っています。

〇実習生採用についてどのようなことを重視しましたか?

応募してくれた候補生はみんなすばらしい人ばかりでしたが、1期生は社内に同じ国の人がいない状態で、3年間親元を離れるので、精神的にしっかりしていて意欲のある人を採用しました。日本に来て生活をする中で潰れてしまってはかわいそうなので。
また、2期生を入れることも考えており、後輩に教えられるような、イチから自分が中心となって動ける人を採用しました。

〇実習生を受け入れるにあたり、当組合を選んでくださったポイントはありますか?

他組合との比較も行いました。関西技術を選んだ理由は全く知らないことを始めるにあたり、密着したサポートをしてくれる感じを受けたからです。

〇当組合への要望はありますか?

日本の箒の使い方があまりうまくなく、力任せにやって掃き散らかしてしまうこともあるので、企業配属前に指導をしていただけたらと思います。

〇受け入れを考えている企業様へ

実習生を受け入れてからベトナム国籍のエンジニアに来てもらっています。
実習生とエンジニアの違いはエンジニアは繁忙期等関係なく半年ぐらいから、就労することが可能ですが、実習生は受け入れまで7~8か月程の期間が必要となります。
エンジニアは実習生よりも日本をエンジョイしている雰囲気もあり、そっちに引っ張られてしまうこともありますし、社内でベトナムの人がたくさんいると母語での話が多くなってしまい、日本語力の伸びが心配になります。実習後のことを思うと日本語は学んだほうが良いと思うので、実習生とエンジニアの関わりの持たせ方には少し気を配ったほうが良いかもしれません。ただ、実習生が日本語を一生懸命勉強しているのにエンジニアの人も触発されて12月の日本語能力試験を受けるようで、そういった良い影響もあります。
実習生の熱心さや勤勉さ、一生懸命さを見て考えさせられることも多々あります。実習生を受け入れると今までの会社とは違った雰囲気が楽しめると思います。

受け入れ企業様

1期生 ガンさん(左)、フィンさん(右)
場所 滋賀県
事業内容 半導体洗浄装置製造、部分加工、プラスチック板加工
作業 フライス盤作業、機械組立仕上げ作業
国籍 ベトナム

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