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イベント、実習生の様子などを紹介しています。
イベント、実習生の様子などを紹介しています。
広報誌2020年8月号に掲載したコラムです。
D社の実習生Aさんは帰宅途中、具合が悪く道端でうずくまっている高齢の女性と遭遇しました。見過ごすことができなかったAさんは、一緒に帰宅していた日本人社員とふたりで女性を抱きかかえて自宅まで送り届けました。後日、女性の家族が実習生の寮を訪問され、「感謝の気持ちを伝えたい」とお礼の言葉と共に現金を渡されました。しかしAさんは、「困っている人を助けるのはあたり前のこと!」と言い、現金の受け取りを辞退しました。
このエピソードを聞いた数日後、私は電車の中である光景を目にしました。白杖を持って乗車してきた目の不自由な男性。私も含めた周りの乗客が「席を譲った方がいいのかな」と思い始めるより早く、座席でスマホを見ていた若い男性がスッと立ち上がり、「こちらに座ってください」と声をかけました。そして、その目の不自由な男性の身体を支えながら座席に誘導した後、何事もなかったかのようにスマホに視線を戻しました。私にはこの若い男性の振る舞いが、実習生Aさんの姿と重なって見えました。
「どうしたのかな?」「大丈夫かな?」「助けなくては!」
ほとんどの人は、困っている人がいたら助けたいと思っています。しかしながらそのような状況が不意に目の前に現れた時、自分がこれからなすべき行動を「感謝されるような行動」と考え、気おくれしてしまう人が多いのではないでしょうか。一方で前述のふたりの行動はいずれも、あたかも呼吸をするような、ご飯を食べるような、あまりに「あたり前」感にあふれているように私は感じました。気おくれすることなく、皆があたり前の行動を無意識にできるような世の中へ。彼らに続いてまずは私から。
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